【戦評/則末(永山)】
序盤両チーム中盤の主導権を奪い合い,激しいプレッシャーが続く。北門は関が中央やや左を起点にしながらスピードのあるドリブルをしかけ、緑が丘守備陣を脅かす。右サイドをからは得永が積極的にしかけるドルブルで緑が丘守備陣のほころびをさがす。7分には槌谷が縦パスを受けて素早いターンからシュートをねらって得点の機会を探る。一方の緑が丘は,野村が中盤でボールを左右に散らしながら,加藤大がトップ下の位置でからみ,右サイドには岡が,左サイドには杉本が進出し,サイドからの攻撃をしかける。12分北門は今野が左サイドから崩しセンタリング,槌谷,伊藤和らが飛び込むが鶴羽がクリア。14分にも槌谷のセンタリングに伊藤勇,今野が飛び込むが加藤拓が懸命のカバーリングを見せる。15分緑が丘はカウンターから杉本がドリブルでしかけ,シュート気味のセンタリングすると雨のためボールがストップ。走りこんだ滝田がシュートを放つがGK田中が体にあてブロックする。互いにスピーディーな攻撃を見せ,シュートチャンスも増え始める。17分北門は得永のセンタリングを起点に高橋航がシュートを放つとGKを破ったかに見えたがゴールカバーした加藤拓がクリアしてピンチを逃れる。北門のスピードあるドリブルに苦しむ緑が丘は徐々に押し込まれ始まる。時折カウンターから杉本らが攻撃に転ずるものの,鈴木,高橋航のCBは落ち着いた対応で処理,緑が丘の攻撃の芽をつんでしまう。野村にボールが集まらずに,相手の裏をとるパスを出すことができず,北門の守備陣に的をしぼらせてしまう。26分北門は相手ペナルティエリア内で伊藤勇がボールを奪い,中央へ丁寧なパスを送ると,前線へ進出した高橋航がインサイドで合わせて先制点を奪う。前半は守備から攻撃の組み立てにも参加し,得点まで奪った高橋航の活躍もあり北門が1点のリードを奪って終了した。
後半は緑が丘が勢いよく攻め,開始早々には杉本が左サイドを突破してセンタリングをおくるが,そのクロスをGK田中が処理すると,またしても左サイドを関中心に切り裂く。緑が丘にボールを奪われても攻守の切り替えが早く,運動量豊富に帰陣する北門の守備陣に緑が丘はなかなか攻め手を見つけられない。37分の左サイドからのFKも北門の高さに跳ね返される。39分には中盤でボールを受けた岩田が30mのミドルシュートを狙うなど何とか突破口を探すが北門は最終ラインで高橋航が鋭い読みを見せ,インターセプトを繰り返す。そしてカウンターには関,今野,槌谷が左サイドを中心に追加点を狙う。伊藤和,伊藤勇らが中盤でボールを拾って優位にたつ北門に対し,なかなか野村が高い位置でボールを受けることができずチャンスを作れなかったが,46分野村が岡からのパスをペナルティエリアやや外で受けカーブをかけて狙うがわずかにゴールバーを越える。同点に追いつきたい緑が丘は谷地元の攻撃参加の回数も増やしながら,岡のポストプレーを引出し,何とか野村に前を向いてプレーさせようとする。しかし北門は50分左サイドを突破した関がセンタリング,フリーの伊藤和がシュートを放つがGK中嶋がフぃスティングで逃れる。さらにそのCKを今野が高橋航にピタリを合わせるが,またしてもGK中嶋が体でブロックすなど緑が丘ゴールを脅かす。54分にはカウンターから伊藤和,得永のコンビネーションから緑が丘ゴールに迫る。谷地元が何とかしのいだがこぼれ球を関が30mロングシュート。惜しくもゴールバーにはじかれる。56分緑が丘は野村が左サイドに進出クロスを入れると加藤大がシュート。その後のCKにも野村が頭一つ抜け出しヘッドで狙うが枠を外れてしまう。58分には野村が右サイドに展開,有山のクロスボールに杉本が頭で飛び込むがこれもゴール右に外れる。終盤の緑が丘の猛攻も高橋航を中心に落ち着いて対処した北門が1対0で勝ち,2年連続12度目の全道大会出場を決めた。
|