【戦評/則末(永山)】
インターバルの間に雨が降り出し,スリッピーになったピッチ。開始1分には関のフィードが芝で滑って佐々木にこぼれ絶好のチャンスをつかむ。さらに2分にも高橋佑が,3分にはMF伊藤がゴールをかすめるシュートを放つ。前線から積極的なプレスで附属を自陣に封じ込め,高橋佑,佐々木が果敢なドリブルで仕掛ける。5分関とのスイッチでボールを受けた佐々木がスピードに乗ったドリブルから左足で狙い澄ましたシュートをゴール右隅に決め先制する。6分にも右サイドから斜めにドリブルで入った高橋佑が左足でシュートを放つなど圧倒的な攻勢をかける。附属も7分ハーフウェイ付近から山根がドリブルでペナルティエリアに進出し初シュートを放つ。やや持ちこなした附属は10分楠が中盤でボールを奪い山根にパス。山根はドリブルで相手DF二人をかわしてシュートを放つがわずかにミートせず。高橋佑の足元に収まると附属守備陣は飛び込むに飛び込めず,ずるずる下がりドリブルを許す。13分には高橋佑のドリブルから佐々木が決定的なシュートを放つ。山根にボールを集め,どうにか持ち直した附属だが,マイボールにすると間髪入れずシュートまで持ち込んでしまう北門の攻撃に気を緩められない。19分中野が中盤でドリブルし右サイドにパス松田のセンタリングはゴールポストに当たるなど徐々に攻め入る場面も出てくるが,菅原を中心とした北門の守備陣を崩すまでには至らない。22分関がオフサイドトラップの裏をついて左サイドをドリブル,ラストパスを送るとDFがかろうじてクリアしCKとなる。そのCKを今野が蹴ると相手クリアを拾った菅原がワントラップし右足で強烈なシュートをゴール左上にたたき込み追加点をあげる。さらに24分今野が中盤でボールをキープした間に能代が右サイドを約50mのフリーランニングでオーバーラップ。能代の丁寧なセンタリングに今野が右足で合わせて3点目を決めた。附属の運動量は極度に低下,ワンツーやドリブルなど,高いボールポゼッションから自由奔放な攻撃を見せる。多くのチャンスを作った北門が前半3点のリードを奪った。
後半は心機一転スタートから山根がドリブルでしかけペースを取り戻そうとする。31分附属は中野がペナルティエリア外で短いパスを送ると,楠が30mのミドルシュート。GKの脇を抜け1点を返す。中野,楠の中盤が前を向いてプレーできるようになった附属はややペースを持ち直す。しかし,常に北門のカウンターに脅かされながらの試合展開となる。ひとつ前にポジションを変えた関のスピードにも気を配らなければならず,失点を覚悟しても前に出ていかなければならず,1点をとったとはいえ苦しい展開は変わらない。41分附属は工藤がペナルティエリア外で倒されFKを得る。しかし,工藤のFKは壁絵に当たる。やや北門の中盤の運動量が落ち始め,前線と最終ラインが間延びし始める。そのスペースを中野,楠が活用し附属は分厚い攻撃を見せ始める。51分には楠のミドルシュートがゴールを脅かす。一方の北門も53分高橋佑がドリブルで相手3人を引き連れ佐々木にパス。佐々木がフリーでシュートするがGK間瀬がストップする。間瀬は55分にも高橋佑のシュートをストップし北門に追加点を与えない。59分左サイドで山根がシュート,それが逆サイドへ跳ね返るところを原田がクロス気味のシュート。それがゴールインし1点差に詰め寄る。しかし反撃もここまで北門が16年ぶりの優勝飾った。
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