準々決勝 花咲球技場 | |
緑が丘4−0(2−0)神居東 | |
得点者 | 成田祐(16分),杉本匠(22分,59分),鷹橋(45分)〔緑〕 |
緑が丘 | GK西川 DF滝口,黒沼,広重,柳澤 MF成田洋,三浦峻,杉本匠,塚田 FW鷹橋,成田祐 交替/FP山口,館山,轡田 |
神居東 | GK辻井 DF石田,沼野,竹村 MF佐藤,中農,古屋,長瀬,石井 FW加藤,菅 交替/FP大西,川口 |
主審/高木(忠和) 副審/阿部(附属),谷山(神楽) 第4審/佐藤(光陽) | |
【戦評/鈴木(愛宕)】 上川代表決定戦をかけた準決勝第1試合は順当に勝ち上がった緑が丘と東陽との接戦を制した神居東の対戦となった。前半最初にシュートを放ったのは神居東。GK辻井からのフィードをFW加藤がヘッドでゴール前に運びシュートを放つがボールはゴール右に外れる。5分過ぎから緑が丘は右サイドでのFW鷹橋,MF塚田のコンビネーションからDFのギャップをつくスルーパスをいれ,チャンスを作り始める。神居東はトップを張る加藤に長いボールをいれシュートを狙うが攻めがやや単調となり,好機を作れない。12分右CKを得た神居東はMF中農が左足でファーサイドの加藤にボールをいれるが惜しくも合わない。一方緑が丘は逆襲で得たCKを主将の成田祐がジャストミートするも枠を外れる。10分過ぎから緑が丘が徐々に主導権を握り始める。16分,左サイド杉本匠から中央で待つ成田祐に絶妙のクロスボールが入ると,成田祐はワントラップし右に持ち出し,ボレーで強烈なシュートを放つ。GKも懸命に手に当てるが,ボールはゴールにたたき込まれ先制点となる。追加点を狙う緑が丘は神居東のDFラインの裏をつくパスに鷹橋,成田祐が鋭い飛び出しでチャンスを作る。21分中盤で奪ったMF成田洋がDFの間をぬくスルーパスを送ると成田祐がゴールに突進,神居東GKが思わずファウルでとめ,PKとなる。しかし,倒されたばかりで痛みの消えない成田祐はこのPKを失敗してしまう。直後の22分左サイドDF滝口から出たスルーパスに杉本匠がスピードあるドリブルでゴール前に持ち込み,ゴール左隅に2点目をシュートを決める。 早い時間帯で1点を返したい神居東だが,後半が始まっても緑が丘の中盤の速いパスワークは冴え渡り,交替出場のFW山口の飛び出しからチャンスを作る。39分には相手陣内でボールを奪った山口がゴールに迫るがGKのチャージでゴールならない。神居東はカウンターで攻撃をしかけるが,黒沼,広重の堅い守りにシュートをうつことができない。45分緑が丘は鷹橋がラインをあげた神居東DFのウラに飛び出し,GKの頭上越しに技ありの3点目を決める。52分にも成田祐が同様のチャンスを得る,GKをかわしてシュートを放つが神居東DF石田の懸命のスライディングで得点ならない。しかし,59分左サイドから抜け出た杉本匠がGKとの1対1を冷静に決め駄目押しの4点目をあげた。緑が丘の徹底したウラねらいの攻撃が功を奏し,上川代表決定戦への切符を手に入れた。 |
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東 光2−0(2−0)北 都 | |
得点者 | 山口(17分),岩崎(22分)〔東〕 |
東 光 | GK久保 DF松原,木多,松山 MF土井,向田,村中,田中,山口,垂石 FW岩崎 |
北 都 | GK佐々木 DF中村匡,上田,山田 MF原田,岡坂,圖子,工藤,米窪 FW丸本,松本 交替/FP片野,片岡 |
主審/高原(北門) 副審/飛世(東明),高橋(愛宕) 第4審/堀(永山) | |
【戦評/小林(緑が丘)】 準々決勝第2試合は1回戦は神居,2回戦は明星とのPK戦を制し勝ち上がってきた東光と,2回戦六合とのゲームを順当に勝ち上がってきた北都の試合となった。前日2試合をこなし,体力的に厳しい状況の東光は主将の南が昨日の疲れで欠場。エースをかいたままの不安を吹き飛ばすかのように立ち上がりから北都陣内へと攻め入る。7分中盤でボールを奪い,一気にカウンターに転じた北都は中央突破でペナルティエリアまでボールを運び,チャンスをつかみかけるが,東光GK久保の果敢な飛び出しによって防がれる。ここからゲームは一進一退の展開となり,膠着状態が続く。東光,北都ともにSW木多,上田が相手の攻撃を跳ね返す。ゲームが動いたのは17分,中盤でボールを奪ったMF田中が右を走るMF山口に絶妙なスルーパスを送ると,山口がダイレクトシュート。ゴール左ネットに見事に流し込み先制点をあげた。更に東光は22分,北都陣内中央でボールを奪ったMF土井がFW岩崎にボールを落とすと,岩崎がダイレクトで強烈なシュート。25mはあろうかという見事なミドルシュートが突き刺さり貴重な2点目を奪って,前半を2対0で折り返す。 後半は,両チーム共にやや決め手を欠き,ボールを大きく蹴り合う大味なゲーム展開が40分過ぎまで続く。北都はMF原田から前線の丸本,米窪に合わせようとするが,いつものようなスピードある攻撃が見られない。東光も南欠場の穴は大きく,中盤で田中,垂石ががんばるものの,守備に負担がかかり,前線の岩崎にボールがはいらなくなる。42分から北都が丁寧にパスをつなぎ始め,サイドからの展開で東光ゴールに迫るシーンが見られはじめ,じわじわと東光を苦しめる。しかし,東光DF陣も懸命のディフェンスを見せ,松原,木多が北都の攻撃を跳ね返す。やはり前日2試合の疲れが影響しているのか東光の足がやや止まり,50分過ぎまで北都の攻撃を大きくはじき返すだけになってしまい流れは北都ペースに傾くが,北都もMF工藤にボールが集まらず,スピードに欠けた攻撃は東光守備陣を脅かせない。結局試合はこのまま終了。東光が2対0で北都をくだし,久々の(もしかすると初めての)上川代表決定戦への切符を手に入れた。 |
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永山南1−1(0−1,延0−0)<PK3−2>広 陵 | |
得点者 | 相田(33分)〔永〕室井(28分)〔広〕 |
退 場 | 近藤(警告2枚) |
警 告 | 八重尾(永) |
広 陵 | GK熊谷 DF上田,作田,庄末,福井 MF橋本拓,虻川,串橋,中田 FW近藤,室井 交替/GK越田 FP飯野 |
永山南 | GK澤村 DF齋藤智,渡辺,齊籐憲 MF巻口,萩谷,片山,蔭浦,阿部 FW相田,原 交替/FP筒井,八重尾 |
主審/矢吹(神居東) 副審/南向(春光台),嵯峨(緑が丘) 第4審/日里(啓北) | |
【戦評/則末(啓北)】 旭川市の代表決定戦であり,敗れれば大会から去らなければならない一発勝負だけに,序盤は両チームともセーフティーに前線にボールを蹴り出してリスクの少ない戦いで挑む。身体能力で勝る広陵がやや優勢に試合を進め,DF上田,庄末が相手のフィードをきっちりと跳ね返し,ロングフィードのこぼれ球をMF橋本拓が拾って両サイドに散らしてチャンスをつかむ。7分にはロングスローからFW近藤がシュート,初めての決定機だったが永山南GK澤村が足に当てて防ぐ。10分には,MF串橋が左サイドから切れ込み,右足で強烈なシュートを放つがまたも澤村がストップする。前回のイレブン杯では5対0で大敗しているだけに永山南はややディフェンシブに戦う。DF齋藤智がディフェンスラインをよくまとめ,MF片山もゴール前まで帰陣して守備に活躍,得点を許さない。広陵はエース串橋にいい形でボールが集まらず,ワイドな攻撃ができないため,永山南守備陣を崩せない。永山南DFラインも齋藤智,斉藤憲が集中して広陵のFWを抑えこむ。しかし,守備意識が高いために失点は防ぐが,片山も守備にウェイトをかけるため,前線が孤立してしまい攻撃には至らない。膠着状態が続いた28分,広陵はバイタルエリアでこぼれ球に素早く反応したMF飯野が永南DFラインの裏に浮き球のパス。受けたFW室井は飛び出してくるGKの頭上を越える巧みなループシュートを冷静に決め,先制点をあげる。 後半に入り永山南が33分同点に追いつく。自陣から片山が滞空時間の長いロングフィードを広陵ゴール前に送る。このボールを広陵守備陣が一瞬躊躇した隙に,FW相田が相手DFに競り勝ってヘッド。ボールはエアポケットに入ったかのようにゴールに転がり込んだ。1対1となったことでゲームは一気にヒートアップする。40分広陵は橋本拓が中盤でボールを奪うとフリーランニングする室井に絶妙のスルーパス。先制点と同じように室井がループシュートで狙うがGK澤村がかろうじてはじく。中盤でのプレスはますます激しくなり,互いに前線の選手が前を向いてプレーできるようなボールが入らない。広陵のダイレクトプレーも永山南DF陣の体を張った守りと,危険箇所を察知して的確なカバーリングをする片山の守備で防がれてしまう。しかし,つぶし合いに終始した前半とはうってかわって見応えのある攻め合いとなる。46分永山南はCKから相田が狙う。広陵も49分右サイドでMF中田が難しい体勢からセンタリング,FW近藤がヘッドで合わせるが惜しくもはずれる。その直後の50分,広陵は近藤が2度目の警告を受け退場となる。10人となった広陵は室井のワントップにし,串橋が起点となってカウンターからDFラインのウラをねらう。永山南も中盤で阿部,巻口がボールを奪う率も高まり,相田が虎視眈々とゴールをねらう。ロスタイムに広陵は中田が再び右サイドを強襲。約50mをドリブルし,相手選手三人をごぼう抜きしセンタリングを送るが,永山南澤村も懸命に守る。試合は1対1のまま延長戦に突入した。 延長戦では広陵が10人とは思えない攻撃をしかける。64分には串橋の中盤のがんばりから室井がドリブルで突破しシュートを放つがGK澤村がファインセーブを見せる。延長戦でも決着がつかなかった好ゲームはPK戦に運命をゆだねることとなった。そのPK戦ではGK澤村がまたしても活躍。広陵のキックを2本ストップし,3対2での勝利の立役者となった。旭川市の代表決定戦にふさわしい,近年の中連でも五指に入る好ゲームは永山南が気迫で広陵を破り,2年連続の上川代表決定戦へと進んだ。 |
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東 明1−0(0−0)北 門 | |
得点者 | 前田(46分)〔東〕 |
警 告 | 谷口(東) |
東 明 | GK小足 DF嵯峨,谷口,宮崎,前田 MF徳廣,木村,松井,渡邊,中村 FW佐藤 交替/FP鈴木,澤田,垣見,山中 |
北 門 | GK斉藤 DF会田,内藤,藤田 MF相澤,市場,佐野,澤田,上村 FW青野,小出 交替/FP岡田,中西 |
主審/西川(聖園) 副審/森(六合),三浦(神居) 第4審/宮川(東光) | |
【戦評/久世(北都)】 第4試合は強豪同士の対戦となった。北門は前線に2年生FWの青野,小出をおき,中盤で市場,佐野がショートパスをつないで攻撃をしかける。一方東明は,1トップの佐藤へのロングパスからの展開を狙うがボールが収まらず,中盤でプレッシャーをかけながらチャンスをうかがうようになる。両チームとも中盤でボールを奪い合い,好守の切り替えに速いゲーム展開となる。13分右サイドでボールを受けた北門MF上村が抜け出すところを東明DFがファウルでとめFKを得るが,ゴールを脅かすまでには至らない。17分東明は右からのCKを長身FW佐藤が競り合い,こぼれたボールを左サイドで拾った渡辺が左足で強烈なシュートを放つがゴール上に外れる。その後も身体能力の高い東明前田,佐藤が1対1で勝負をしかけ攻め込むが北門DF会田,内藤,藤田の粘り強い守備になかなかシュートに持ち込めない。北門は奪ったボールを右サイド上村,左サイド相澤のドリブルやDFラインの中央で待つ小出へとワイドに攻撃をしかけるが,前田を中心とする東明DFにはじきかえされる。前半は両チームとも決定機がなく無得点に終わる。 後半北門はDFラインの裏を狙ったロングパスに青野,小出が走り込む。また,35分にはDFラインで跳ね返されたボールを拾ってMF相澤がサイドチェンジ,逆サイドに走り込んだ上村がシュートを放つがゴールを奪えない。次第に攻撃をサポートする動きがよくなった北門がペースを握り,11分には小出がDFラインを抜け出てGKと1対1となりシュートを放つが東明GK小足がファインセーブを見せる。東明はMF徳廣の個人技で突破を図るが,中盤の押し上げがなく,数的有利の北門DFを攻めきれない。攻めあぐねる東明だが,飲水タイムの直後,北門の集中力が切れた一瞬を狙う。右サイドで得たFKを宮崎がゴール前にハイクロスをいれると,DF前田が高さで競りがちヘッドでゴール右隅へ。ボールはゴールに吸い込まれ押されていた東明が待望の先制点を奪う。追いつきたい北門は相澤をFWにあげ3トップに変えて攻撃に出る。56分には佐野のパスを受けた相澤が左サイドを個人技でかわしセンタリングをあげるが小出にわずかにあわず。東明も前田を中心に北門のDFをストップ。結局1対0で東明が勝ち,3年ぶりのベスト4へと進んだ。 |