準決勝 9月20日(日)忠和公園サッカー場 | |
啓 北1−0(0−0)永山南 | |
得点者 | 藤原(62分)(啓) |
啓 北 | GK永井建 DF斉藤寿,干場,片石,平野 MF三浦(若田),保田,笠原,高橋,西根 FW藤原 |
永山南 | GK松元 DF上用,萩谷,八重尾,登野 MF梶谷,猪又,橋本,近藤,藤原 FW山本 |
主審/五十嵐(道北協会) 副審/辻井(北星),村上(永山) 第4審/三浦(神居) | |
【戦評/久世(六合)】 準決勝第1試合は,啓北と永山南の対戦。気温が低く北風が吹くコンディションの中,風上に立つ啓北のキック・オフで試合は始まる。試合開始から啓北は相手エリアにロング・フィードを送り,ワントップのFW藤原を走らせる。風下の永山南DFのクリアボールのこぼれ球をMF笠原が拾いオープニング・シュートを放つ。一方の永山南は,右サイドのスペースをMF近藤がドリブルで駆け上がりセンタリングをゴール前に送る。このボールをMF橋本がヘディングでシュートするが,啓北GK永井が落ち着いてセーブする。7分,啓北はMF笠原がPA中央付近で待つMF高橋にパス。このパスを受けた高橋は相手DFをかわし,ゴール前への侵入を試みるが,永山南DFがコーナーに逃れる。8分,永山南は,啓北DFのクリアミスを拾ったMF猪又が左サイドのスペースに走り込んだMF橋本にパス。橋本がスペースにトラップして抜け出し,グラウンダーでセンタリングを送る。啓北DFが跳ね返したボールをMF猪又が拾い,シュートするがゴールを外れる。13分,啓北はFW藤原の力強いドリブルから得たコーナーキックをMF笠原がゴール前に蹴り込む。このボールが風で流れたところにMF高橋らが次々と詰めるが,ボールはゴール外に…。14分,永山南は左サイドでのMF猪又と橋本とのパス交換で攻め上がり,ゴール前に走り込んだFW山本にパスを送る。パスを受けた山本は啓北DFの間をドリブルしながらシュートを放つが,啓北DFのマークにあい決めきれない。16分,啓北はDF干場が左MF西根とのパス交換で攻め上がり,右サイドのスペースに流れながらシュート。このシュートが永山南GKの頭上を襲うが,GK松元がパンチングで逃れる。その後も,啓北はワントップFW藤原へのロング・フィードからのこぼれ球をMF笠原,高橋,西根が拾い,押し気味に試合が展開するが,決定機には至らず前半は両チーム無得点に終わる。 後半,風上に立った永山南は中盤でMF梶谷,猪又がボールを受け,啓北DFの両サイドのスペースをねらってパスを送り,橋本・近藤を走らせる。一方の啓北は,FW藤原,MF西根が相手DFをブロックしながらパスを受け,MF笠原,高橋とのパス交換でチャンスをうかがう。45分,永山南はMF梶谷が近藤との壁パスから右サイドの突破を図るが,啓北MF保田のマークにあい,クリアされる。50分,啓北は永山南陣内に攻め上がり,左サイドの笠原がフリーでパスを受ける。慌てた永山南DFがたまらずファウルし,ペナルティ・エリア左角付近でフリー・キックのチャンスを得る。MF西根が直接ゴールを右足でねらうが,相手DFに当たりゴールならず。52分,永山南はGK松本のゴール・キックをFW山本が相手DFと競り合いながらコントロールしシュートを放つがゴールを外れる。54分,啓北はDFがつないだボールをMF保田がダイレクトで高橋にパス。相手DFをブロックしてこのパスを受けた高橋は巧みなボディバランスでターンし,左サイドから駆け上がった西根にパス。西根のシュートが跳ね返されたボールを高橋が再びシュートするが,永山南DFにクリアされる。膠着状態だった試合は60分を過ぎてから両チームにゴールチャンスが訪れる。60分,永山南は啓北陣内右サイドで相手がスロー・インしたボールを近藤がカットし,ゴール前の山本にパス。パスを受けた山本はシュートブロックに来た啓北DFを引きつけながらPA左に上がっていた猪又にパスするが,猪又のシュートはヒットせずゴール左に外れる。その直後,永山南はDFからのロング・フィードを相手DFと競り合いながらコントロールした山本が巧みなドリブルで抜け出し,啓北DFを振りきる。独走した山本は啓北GKも抜き去り,無人のゴールへシュートするが惜しくもゴール右に外れる。永山南がビッグ・チャンスを逃した直後に啓北にチャンスが訪れる。62分,左サイドでパスを受けた笠原が巧みなフェイントで永山南DFをかわし,左足でアーリークロスを送る。このクロスに相手DFと競り合いながらゴール前に走り込んでいたFW藤原が合わせ,シュートがゴール右に決まり,啓北が待望の先制点を奪う。残り時間が5分を切ると啓北は逃げ切りに入る。あきらめない永山南は試合終了間際の68分,センターラインを越えた相手陣内でボールをキープしたFW山本が右の猪又にパスを送り,ゴール前へとダッシュする。これを見た猪又はダイレクトで啓北DFラインの裏へ浮き球でパスを送る。抜け出した山本は,ダイレクト・ボレーで強烈なシュートを放つが,啓北GK永井が素晴らしい反応でゴール上にはじき出し,タイム・アップ。両チーム共に集中力を切らさない熱戦は少ないチャンスを生かした啓北に軍配が上がった。 |
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緑が丘2−0(0−0,延2−0)北 門 | |
得点者 | 田端(74分),猪川(77分)(緑) |
警 告 | 田端,相澤(緑)吉澤(北) |
緑が丘 | GK吉田 DF館山,津田,大田,酒井 MF猪川,横田,田端,篠原 FW豊田(久保),國本(相澤,鮫澤) |
北 門 | GK松本 DF青野,吉澤圭,菅原,木村 MF高橋真,稲田(中原),佐々木,能代 FW高橋佑,関 |
主審/對馬(東神楽) 副審/山本(聖園),西川(上富良野) 第4審/目黒(神楽) | |
【戦評/遠山(東川)】 準決勝第2試合は緑が丘と北門の対戦となった。中体連の地区大会と管内代表戦では緑が丘が勝利しているものの、北門も1次リーグでは1−0で逃げ切っているだけに白熱したレベルの高いサッカーが期待された。 KICKOFFは緑が丘。両者とも試合のペースを握ろうと中盤で激しいボールの奪い合いが展開される。それでもファーストシュートは1分、緑が丘右サイドの横田に低い弾道でフィードされたボールを折り返してペナルティへクロスを上げると、豊田がシュート。ボールはバーの上を大きく外れたものの、緑が丘の動きがよくなる。北門は中盤でのプレッシャーが厳しく、稲田が起点となりにくいと判断したのかボールをDF裏へ大きく蹴りだし、FW高橋佑、関らの突破を試みる。5分に、ペナルティエリアの左サイドでボールを受けた高橋佑がドリブル突破。DF2枚をかわし深くえぐったところで中央にグラウンダーで速いクロスを入れるも味方に合わずシュートに至らない。直後に今度は緑が丘が北門DF裏にロングボールをけりこむ。これに國本、豊田が飛び出すが、DF吉澤、青野らが体を張って跳ね返す。このとき國本が相手DFと接触し負傷。序盤で相澤と交代となってしまう。しかし、緑が丘は徐々に両サイドにボールを散らし、攻撃の糸口をつかむ。7分、相手陣内で國本がポストプレイでボールを落とすと、田端が強烈なミドルシュートを放つがGK松本の正面。15分にはDFがクリアしたボールを横田が50メートル余りを駆け上がりドリブルし、ゴール前にセンタリングを上げる。豊田が必死に合わせるも一歩及ばない。19分には猪川が左サイドでインターセプトしたボールを低いクロスで相澤に入れるもGK松本の好判断でセーブする。21分には緑が丘4本目のコーナーキックに篠原がドンピシャで合わせるもポストに跳ね返される。緑が丘の怒涛の攻撃を高い集中力と運動量でしのいでいた北門だが、稲田が中盤でターゲットになることで、両サイドを使った攻撃がつながりだす。緑が丘DFがクリアしたボールを稲田がバイタルエリアで1タッチでコントロールし青野に落とすとオープンな右のエリアにけりこむ。高橋佑、稲田が必死に追うも決定機をつくれない。中盤の起点となる稲田は豊富な運動量で動き回り、緑が丘の攻撃の芽を摘む。27分、緑が丘のカウンター攻撃を跳ね返したボールが稲田、高橋佑とつながり、ペナルティエリア内フリーとなり低い弾道のシュートを放つ。これを必死に戻った館山が何とか足に当てコーナーに逃れる。運動量のある攻防は終盤まで続き、前半をスコアレスで折り返す。 横風が強さを増す中、後半が始まる。緑が丘は豊田が前半より低い位置でボールを受けることでポストプレイがきれいに機能し、攻撃にがスムーズになる。42分左サイドでボールをキープした豊田が一瞬でDF2人をかわしゴール正面の豊田にボールを送るも、GK松本の果敢な飛び出しにシュートができない。47分右サイドに上がっていた豊田が横田にボールを預けると相澤にぴたりと合ったボールをゴール前に上げる。相澤が丁寧に落としたボールを猪川がゴール右を狙ってシュートを放つも吉澤が間一髪で止める。決定機を凌いだ北門は再び運動量のある攻撃に出る。50分を過ぎてもスピードの落ちない高橋佑が緑が丘陣内をドリブルして攻め上がることで、やや疲れの見え始めた北門DFラインを高い位置に修正でき、反撃を試みる。54分のコーナーキックを皮切りに波状攻撃を繰り返す。55分ペナルティエリア前で佐々木、青野、高橋ときれいにつながりゴール前に迫るもシュートは打てない。左サイドから佐々木、高橋とつなぎ稲田が木村にボールを預けセンタリングを能代に合わせる。こぼれたボールを関が疲労も緑が丘も館山、津田らが体を張りいい状態でのフィニッシュを防ぐ。この時間帯は北門はほぼ全員が攻撃参加し、得点への匂いが漂った。この時間帯を乗り切った緑が丘は60分過ぎから再び反撃に出る。63分、中盤で相澤がボールを受けると右サイドの横田に丁寧にパス。中央を上がってきた猪川に合わせシュート。クロスバーにに跳ね返ったボールを酒井が再び折り返し、豊田がDF2人に競り勝つもゴール左に外れる。66分右コーナーからふわりと上がったボールが風に戻されフリーの猪川の目の前にポトリと落ち、右足でダイレクトで振り向くもバーの上に外れる不運。68分、豊田から相澤に入ったボールにGK松本がたまらず飛び出すもかわされる。無人のゴールにシュートを放つもバーに跳ね返される。横田、豊田が詰めるもDFが必死に戻りコーナーとなる。対応に苦慮する北門DFは疲れが見え始め、ややファールが多くなる。ロスタイム、ゴールまで30m付近でFKを得た緑が丘は酒井がやや低めのボールをゴール前に入れ相澤がダイビングヘッド。タイミングはばっちりだったがボールはバーの上に外れ延長戦となる。 10分の延長戦は北門のKICKOFF。70分を超え、両者とも疲れが見られるが中、北門は左の佐々木を使い右サイドからワイドな攻撃を仕掛ける。緑が丘は丁寧なパス回しから時折、大きいクロスを蹴り込み決定機をつくる。長い均衡が敗れたのは74分。北門DFが中盤に繋ごうとしたパスを猪川がインターセプトするとラインを上げようとしたDF裏へ大きくフィードする。GKが飛び出しのタイミングを一瞬迷うところに田端が走り込んでフリーの状態からゴール右隅に蹴り込みついに先制する。1点を失った北門は運動量の落ちた稲田に代え、中原を投入し1点を取り戻しにかかる。突き放したい緑が丘は再び横田を右サイドで走らせチャンスをつくり、コーナーキックを得る。77分、コーナーキックははじかれたもののDFがクリアしきれずに田端の足元にボールが落ち、ポゼッションしていた横田へ流すと大きなクロスを右から上げる。ゴール左に切れるかと思われたボールに猪川が合わせて試合を決める2点目を上げる。終盤で突き放された北門だが、気落ちすることなく高橋佑を中心に1点を取りにいくもアイムアップ。緑が丘が2年連続の決勝進出と4年ぶりの優勝に王手をかけた。 |