全道大会情報

2006年8月2日〜4日 千歳市

2回戦 8月3日9時キックオフ
緑が丘中(上川支庁代表)4−0伊達中(胆振支庁代表)
得点者 杉本(2分,10分),成田祐(53分),鷹橋(59分)
緑が丘 GK西川 DF滝口,若林,黒沼,広重  MF三浦(峻),成田洋,杉本,塚田
FW成田祐,鷹橋  交替/山本,室野,三浦暉
【戦評/小林(緑が丘)】
  曇り空ではあるが,選手にとっては好条件の気象状況の中,緑が丘のキックオフでゲーム開始。序盤は互いに相手の様子をうかがうかのように,ボールをシンプルに蹴り合い相手陣内へとボールを送り込み好機をねらう展開になる。同じような展開が続くかと思われた2分過ぎ。緑中右サイドバックの若林が自陣から大きく伊達陣内へとボールを蹴りこむと,左のMF杉本がタイミングよく反応。左から素速く中央に走り込むと,PA手前でボールを保持。やや動きの硬かった伊達DFを振り切り,落ち着いてゴール右隅にボールを転がし,いきなりの先制点を奪う。3分にはハーフウェイ中央でボールを奪った緑中DF黒沼がそのまま豪快なロングシュートを放つと,ボールはゴールへと一直線。あわやゴールかと思われたシュートを伊達GKが辛うじて左手の指先で触ると,ボールはゴールポストに直撃,惜しくもはじかれる。緑中は中盤でボールを落ち着かせたいが,伊達の素速いアプローチとMF10の個人技に圧され,単発な攻撃が続き,フィニッシュまでもっていくことができない。10分過ぎからは,両チームともやや動きが緩慢になり,攻めて手を欠いたゲーム展開が続く。硬さのとれた15分過ぎからは伊達はMF10番を中心にボールを前線へと送りこみ,伊達FW9番,11番や左サイドのMF6番が緑中ゴールを脅かし始める。緑中は懸命に対応するが,DFのバランスが崩れ,中央付近でフリーの選手をつくってしまい,厳しいシュートを放たれるシーンが続く。シュートはゴールの枠をはずれたものの,その後の伊達の攻撃に対して,緑中はたまらずファールをしてしまい伊達にFKチャンスを何度も与えてしまう。20分過ぎからは,一進一退のゲーム展開となるが,残り5分を切ったあたりから,トップの成田,鷹橋,左の杉本へのパスがつながり始め,対応の遅れる伊達DFをかわしシュートを放つが,精度が低くコースをつくことができず,1:0のまま前半が終了。
 後半は開始早々から緑中がボールを支配し,伊達陣内へと攻め入る。2分には杉本のFK,4分,6分には鷹橋,成田,杉本のシュートシーンが見られるが,いずれも枠をとらえることができない。追加点を奪えず,嫌なムードの漂う緑中であったが,10分過ぎに右DF若林が自陣より大きく弧を描く絶妙なボールを相手陣内の左に位置した杉本にパス。杉本が一気に中央に切れ込み一瞬フラットになった伊達DFをドリブルでふりきりGKと1対1,ゴール左隅にシュートを決め貴重な追加点を奪う。伊達の中盤でのボール支配率は緑中に劣らず,サイドからの攻撃をたくみに展開するが,緑中DF陣も堅実に対応しシュートを防ぐ。伊達MF10番の豊富な運動量と高い技術の前にMF三浦峻,成田洋は素速い対応をし,自由にプレーをさせない。一進一退のゲーム展開の中,23分,左の杉本から中央のスペースにボールが放り込まれると,成田祐が反応しDFラインから飛び出し,ボールを追う。伊達GKが飛び出すと,成田祐がGKの鼻先でボールをつつき,GKをかわし完全にフリーになり,3点目を奪う。ロスタイムには,後半途中出場の右サイドバック山本が相手陣内から絶妙なロングスローを成田祐にあずけると,成田祐が個人技でDFをかわし,PA中央付近でゴールに向かってドリブル,左から走り込んできた鷹橋に横パスを出すと鷹橋がダイレクトで合わせゴール上段に4点目を決めゲームセット。3回戦へと駒を進める。


準々決勝 8月3日15時キックオフ
緑が丘中(上川支庁代表)3−1北見高栄中(網走支庁代表)
得点者 成田祐(40分,44分),杉本(56分)
緑が丘 GK西川 DF滝口,若林,黒沼,広重  MF三浦(峻),成田洋,杉本,塚田
FW成田祐,鷹橋  交替/山本,山口,轡田
【戦評/小林(緑が丘)】
 両チーム共に午前中に続き,2戦目となる3回戦。気温が上昇し,消耗戦の様相を呈してきた。北見高栄は地元千歳富岡を3対0で下し勢いに乗る。キックオフは高栄。序盤から緑中は三浦,成田が中盤でボールが落ち着かせ,高栄陣内での試合を展開する。しかし,高栄DFの素速いアプローチと的確なクリアで緑中は決定的なチャンスをつくらせてもらえない。その後も緑中は左MF杉本にボールを送りこみ,杉本からのセンターリングやアーリークロスで先制点を奪いにいくが,高栄GKの好セーブに阻まれる。また,右DF若林のオーバーラップからトップの成田や鷹橋にアーリークロスを入れるが,いずれもDFに押さえ込まれ決定打にならない。緑中の攻撃を凌ぐ高栄は14分過ぎ,フリーになったMF7番から右に位置したFW11番にパスがわたると,11番が一気に右をドリブル突破。DF広重がカバーに入り対応するが,コーナーぎりぎりからあげられたセンターリングが広重の足にあたり,そのままGA中央付近へ。PA中央から走り込んできたMF7番にヘッドで合わされ,豪快にゴール左に先制点を決められる。それまで好セーブを見せてきたGK西川も一歩も動くことができなかった。先制点を奪われた緑中はその後も押し気味でゲームを支配するものの,高栄の中盤でのアプローチが積極的になり,中盤での組み立てが崩れ始め,トップの成田や鷹橋が孤立したり,杉本のクロスに合わせる枚数不足が見られ,単調な攻撃が続き,1点ビハインドのまま前半が終了する。
 疲れの見える両チームだが,緑中はいよいよ高栄陣内での攻撃を展開する。31分にはCKのチャンスに成田祐がヘッドで合わせるが,バーの上を越える。8分には右DF若林のオーバーラップからのこぼれ球を成田洋がミドルシュート。これもバーの上を越え枠をとらえることができない。何とか早い段階で同点に追いつきたい緑中は10分,またも若林がオーバーラップし,右から切れ込むと,相手DFがたまらずファール。右30m付近でFKのチャンスを得ると,杉本が左足でキック。ゴール前にはっていた成田祐が辛うじてヘッドで合わせ,ゴール左上に待望の同点打を決める。さらに,14分には,右MF山本からのロングスローが高栄DFの頭上を越え,GK付近ではっていた成田祐まで届くと,成田が頭で合わせて,ゴール左隅に貴重な追加点を奪う。24分25分には杉本のFK,成田祐のドリブルシュートのチャンスが訪れるが,GK正面や枠外であったりと得点に結びつかない。このまま逃げ切りたい緑中は,26分,中盤でボールを保持した鷹橋がゴールに向かってドリブル,トップの成田にボールを渡すと成田が上手に処理し再び鷹橋へ落とす。鷹橋は左を走る杉本のオープンスペースへボールを送り込み,杉本のスピードを生かす。杉本はDFを振り切り,一気に左サイドからゴールに向かってドリブル。キーパーが飛び出すが,落ち着いてゴール右隅のシュートを決め,試合を決定づける3点目を奪うことになり,準決勝へと駒を進める。


準決勝 8月4日10時キックオフ
緑が丘中(上川支庁代表)0−1札幌清田中(札幌第1代表)
緑が丘 GK西川 DF滝口,若林,黒沼,広重  MF三浦(峻),成田洋,杉本,塚田
FW成田祐,鷹橋  交替/山本
【戦評/小林(緑が丘)】
  昨年度の新人戦全道大会の覇者札幌清田と緑が丘が準決勝で顔合わせることとなった。清田は釧路景雲(1:0),江別大麻(2:0)の強豪を打ち破り,勢いに乗った状態で準決勝に駒を進めてきた。日差しの強い快晴の中,清田のキックオフでゲーム開始。緑が丘は清田の個人技の高さを意識して,組織的に対応することを心がけ序盤から積極的にアプローチをしかけ,清田に思うようにプレーをさせない。MF三浦と成田洋は,中盤における清田のプレッシャーが軽いことから支配率を高め,トップの成田祐,鷹橋そして左MFの杉本を生かし,ワイドな攻撃を展開しながら,清田陣内へと攻め入る。しかし,清田DF陣のスピーディーで堅実な守りに阻まれ,なかなかいい状態でシュートを打たせてもらえない。15分過ぎからは,硬さのとれてきた清田がMF10番,FW9番を中心にボールを支配し始め,緑が丘陣内へと攻め入るシーンが増えてくる。17分には清田9番の左からのドリブルに対してファールをし,PA左25M付近でFKのチャンスを奪われてしまう。シュートは壁を越え,GK西川の前に落ちる絶妙なシュートとなる。処理の難しいボールであったが,西川が好判断でスライディングをしながら足ではじき返し,ピンチを凌ぐ。25分までは一進一退のゲーム展開で,互いにフィニッシュまでもっていくことができず,均衡状態が続く。しかし依然中盤でのボールの支配率は緑中が高く,23分にはMF三浦から成田洋へ横パス,成田が相手をかわして左サイドを上がってきたDF滝口へパスを落とすと,滝口が杉本のスペースにボールを送り込む。杉本が左サイドをドリブル突破しセンタリングをあげると,成田祐が反応,右から走り込んできた鷹橋にボールを渡すも,清田DFの懸命な守りに鷹橋がいい状態でシュートを打たせてもらえず,GKの好守もあり,ゴールネットをゆらすことができない。28分には鷹橋がドリブルで右サイドを突破,センタリングに成田洋が合わせ,ミドルシュートを放つが,またもや清田DFの好守にあい,シュートはGK正面へ。再三のチャンスをものにできないまま前半が終了。
 後半は,開始早々にゲームが動く。2分,緑中の中盤でのプレッシャーがゆるんだすきに,清田が緑中PA内にボールを放り込む。DFが簡単にクリアできるボールであったが,清田トップ7番のプレッシャーに,DFが痛恨のクリアミス。安心しきっていた他のDFもカバーリングポジションを確保せずにいたため,7番がボールをインターセプト。フリーの状態で,PA内中央からシュートを放ち,値千金となる先制点を清田が決める。その後は,緑中の猛攻が続く。4分には,DF広重から左の杉本へパス。杉本がドリブルでDFを振り切りアーリークロスを入れると,成田祐がダイレクトシュート。ボールは惜しくもバーの上を越える。8分には,ハーフウェイラインから杉本へスルーパス。杉本がコーナー付近までドリブルで切れ込み,センターリング。成田祐が合わせるが,DFにクリアされる。15分には,若林がオーバーラップし,そのまま右サイドから中央に切れ込むと,相手DFがたまらずファール。PA右25M付近のFKを杉本が蹴るも,バーの上を越えてしまう。20分にはCKのチャンスから混戦。PA内のシュートの猛攻を清田が懸命にはじき返し,ゴールを割らせない。緑中は若林をハーフにあげ,攻撃的な布陣で更に清田にプレッシャーをかける。清田はタッチラインにボールをクリアするが,サイドバックの山本のロングスローで,PA内にボールを放り込み,清田を苦しめ続ける。清田はたまらずファールを連発26分・28分のFKのチャンスを緑中はものにできない。28分のFKはゴール正面25Mという絶好の位置であったが,清田の壁が懸命にヘッドではじき,枠をねらわせてもらえない。ロスタイムには,成田祐のポストプレーに若林が反応。右から中央にドリブル突破。キーパーと1対1となり,あわや同点ゴールかと思われたが,清田DFの懸命の追走とGKの果敢な飛び出しにシュートがGKの足にあたり,またしてもゴールを奪えないままタイムアップ。数少ないチャンスを確実にものした清田の個人技,絶対にゴールを割らせないというDF陣の精神力の強さの前に緑中は破れた。



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