緑が丘1−0(0−0)明 星
得点者 オウン・ゴール(緑)
緑が丘 GK久保 DF石部,出崎,白石,大西 MF松本,加藤,今井,牧 FW桜庭,福田
Sub曽根
明 星 GK松橋 DF木村,久保,荒木,辰巳 MF中西康,上村,中西政,田井,福屋 FW三井
Sub竹内
主審/高原(北門) 副審/菊池(北都),柳渡(フォルトナ)
[戦評/則末(神居)]
決勝は,永山南,広陵といった実力校を倒し勝ち進んだ緑が丘と4試合中2試合をPK戦,2試合を1点差としぶとく勝ち上がった明星の戦いとなった。
緑が丘は開始早々今井が右サイドをスピードで突破しシュートを放つ。試合開始直後のこの攻撃で緑が丘は勢いにのり,試合の主導権を握った。2分には今井のFKがわずかにバーを越えるなど,中盤の素早いボール奪取をし,福田のポストプレーを起点に今井の縦への突破力を生かして右サイドを中心として攻勢に出る。また,中盤の松本,牧もボールによくからみ,早い展開力で攻撃のリズムを作る。7分,松本の右足でのシュート,20分松本のスルーパスから今井が抜け出してシュートを放つなど再三明星ゴールを脅かすが,明星GK松橋が体を張ったセービングで得点を与えない。21分にも大西の縦パスから福田がミドルシュートを放つなど素早い両サイドへの展開から,何度もクロスボールを入れて矢継ぎ早にシュートを放つが得点できず,これがその後の膠着状態の原因となる。一方の明星も上村,田井の中盤で対抗しようとするが緑が丘のスピードに対処するのが精一杯でファウルも多く攻撃を組み立てるまでには至らない。攻撃の中心福屋,中西政にボールが出ずに防戦一方となる。しかし、なんとかしのいだ明星は前半を0対0で終わらせることに成功する。
前半を無失点で切り抜けた明星は,後半開始早々素早い出足からペースを握る。緑が丘今井のスピードにも徐々に対処できはじめ固いディフェンスを見せ始める。しかし,攻撃にはまだ余力がなくゲームは膠着状態へと入る。互いに決め手を欠いていた試合展開となったが緑が丘DF石部が負傷で交替。苦肉の策で福田をDFに,桜庭を右サイドに,今井をトップにポジションを入れ替えて急場を凌ごうとする。しかし,このポジションチェンジが功を奏し,明星DFのマークがずれ始める。45分には今井がフリーで抜け出してシュート,GK松橋がブロックしたこぼれ球を牧が再びシュート,かろうじて明星DFがクリアーするが得点の兆しが見え始める。特に右サイドに変わった桜庭が水を得た魚のように再三再四右サイドを突破,攻撃の起点となる。53分には左サイドの今井のグラウンダーのセンターリングを松本がインサイドでGKの頭上を狙うが松橋が辛くも手に当てボールはバーを弾く。そして54分緑が丘は決勝ゴールを奪う。加藤の前線へのフィードから桜庭が右サイドを突破しセンターリング。ゴール前に進入した今井の動きが気になったのかDFがクリアミス,痛恨のオウンゴールとなる。結局この1点を守りきり緑が丘が2年ぶりに春の王者となった。