全道大会情報


第23回 全道中学(U-14)サッカー大会
2007年11月3日(土)〜4日(日) 札幌市
初の決勝進出を果たした旭川市立啓北中学校

1回戦
11月3日 コンサドーレ札幌ユース雁来練習場
旭川啓北中3−2(2−0)清水・御影中
得点者 笠原(1分,43分),藤原(14分)〔啓〕D(32分),I(40分)(清)
啓 北 GK永井 DF酒井,茂木,高橋竣,干場 MF藤村,山内,保田,池田FW藤原,笠原
 帯広地区を圧倒的な強さで勝ち抜いた清水・御影中はナショナルトレセンの選手も擁し,啓北は苦戦が予想された。しかし,立ち上がり硬さの見られる清水・御影のDF陣に啓北は前線からプレッシャーをしかける。1分にはペナルティエリア内でボールを奪ったFW藤原からのパスを受けたFW笠原がゴール右上に蹴りこんで幸先の良い1点を奪う。この1点でリズムをつかんだ啓北だが,清水・御影Iに個人技でかき回される。3分にはハーフウェー付近でボールをもったIがスピードにのって,あっという間に啓北DF陣3人を突破してゴールに迫る。このプレーでより一層警戒を強めた啓北だが,中盤から前の選手がボールの出所をよく抑える。また,CB茂木,高橋竣も何とかスピードに乗らせない対応をする。5分啓北は後方からのフィードを藤原がヘッドで流すと,相手のDFラインのウラに飛び出した笠原がゴールに向かってフリーでドリブル。相手DFがたまらず後ろからひっかけFKを得る。しかし,酒井のFKはGKに阻まれる。何とか追加点をとりたい啓北は14分,右サイド奥でボールを拾ったMF藤村がセンタリング。ニアサイドに走り込んだ藤原が右足で合わせ貴重な追加点を奪う。完全にボールを支配した啓北は,御影・清水Iのスピードに苦しみながらも,前線からのボール奪取で,20分山内,21分池田のセンタリングから藤村がチャンスをつかむ。しかし,前半は追加点をあげられず2対0で終了する。 後半開始直後,啓北は絶好の好機を得る。26分山内が藤原とのワンツーから抜け出しGKと1対1になるが,わずかにシュートは左へ外れる。何とか茂木,高橋竣のDFで清水・御影Iを抑えていた啓北だが,32分カウンターからCKを奪われる。そしてマークがルーズになった隙をつかれ,CKから清水・御影Dに合わされ1点を返される。この1点ですっかり受け身にまわった啓北はIを警戒する余り,ラインがずるずると下がり清水・御影に攻勢を許す。清水・御影Iにマークを集中するとHがフリーで前線をかき回し,守備陣が混乱させられる。そして40分カウンターからIに一気にスピードに乗られGKとの1対1を決められ同点とされる。しかし,ここから踏ん張った啓北は43分酒井からのロングパスを受けた笠原が相手DFと飛び出してきたGKをかわし,約25mの距離から無人のゴールにシュートをたたき込み決勝点をあげた。清水・御影のIに苦しめられながらも,粘り強く戦った啓北が難敵を撃破した。
準々決勝
11月3日 コンサドーレ札幌ユース雁来練習場
旭川啓北中4−0(0−0)北空知FC
得点者 山内(30分,38分),池田(35分),西根(42分)〔啓〕
啓 北 GK永井 DF酒井,茂木,高橋竣,干場 MF藤村,山内,保田,池田FW藤原,笠原 交替/GK重綱 FP西根,斉藤,高橋拓,新井
 準々決勝は中標津中を破った北空知FCとの対戦となった。前半動きの鈍い啓北は,ボールを支配しながらも突破のパスが生まれない。保田が中盤の底でボールを拾うものの,左サイドの池田,右サイドの藤村の攻撃も単発に終わり,厚みが生まれない。2トップにもボールが収まらず,シュート数はわずか2。逆にカウンターから北空知I,Fにサイドを崩され危ない場面が目立つ。何とか茂木,高橋竣のCBで持ちこたえるものの,ラインも上がりきれずにリズムをつかめない。サイドに当てるパスも供給されず,縦への単純なフィードが多くなり,0対0で前半を折り返す。 後半,啓北は山内,保田の中盤が機能し始める。左サイドの池田に効果的なボールが出始め,左DF干場のサポートもよく,サイドを数的優位で崩し出す。右サイドの藤村,酒井も高い位置でプレーできるようになり,FW藤原,笠原にもボールが収まり攻撃に厚みを増す。30分啓北はハーフウェー付近での茂木のFKから山内が抜け出し,GKの頭上を越えるループシュートで待望の先制点をあげる。この1点で落ち着いた啓北は,かさにかかって攻め出す。35分には酒井が右サイドから中へドリブルし,左足でセンタリング。逆サイドのウラから飛び出したMF池田がワントラップし落ち着いてゴールに蹴りこみ2点目をあげる。38分には笠原が右サイドをドリブルで崩しゴールラインまでドリブル。折り返したボールを山内がシュートし,試合を決定づける3点目を奪う。攻撃の手を緩めない啓北は42分,池田の左からのアーリークロスに飛び出したFW西根がGKをかわして駄目押しの4点目をあげる。後半の猛攻によって4点を奪った啓北が準決勝へと進出を決めた。
準決勝
11月4日 コンサドーレ札幌ユース雁来練習場
旭川啓北中2−2(0−2,2−0,延長0−0)<PK4-3>釧路景雲中
得点者 笠原(30分),酒井(35分)〔啓〕J(5分),G(6分)〔景〕
啓 北 GK永井 DF酒井,茂木,高橋竣,干場 MF藤村,山内,保田,池田FW藤原,笠原
  序盤から景雲の攻守の切り替えの速いサッカーに後手後手とまわることの多い啓北は苦戦を強いられる。前線のH,Jがクレバーな動きで啓北DFのギャップに進出。中盤もE,Iにボールを奪われ,啓北の攻撃陣と守備陣が分断される。苦し紛れに前方にフィードしたボールも長身のD,Aにはじき返され,攻め手が生まれてこない。5分景雲は,中盤からのスルーパスにJがDFのギャップに入り込みスピードに乗ったドリブルからシュートを決め先制する。さらに6分には失点の動揺から落ち着きを取り戻せない啓北DFの隙をつき,右サイドからGがスピードにのったドリブルで破りあっさり2点目を奪う。それ以降も景雲の速いつぶしにあい,完全にゲームを支配され防戦一方となる。何とかGK永井の守備により,しのいだ啓北だが攻撃に関してはほとんど決定機をつくれない状況。9分に藤村のセンタリングに池田がからんで山内がうったシュートと,22分左サイドでうけた笠原が切り返しておくったセンタリングに藤原がボレーでねらったシュートがあるだけで得点の可能性を感じられない。 後半も景雲にボールをポゼッションされ,ロングフィードからFW笠原,藤原のウラの飛び出しに終始する。それでも28分には酒井がドリブルでの突破や29分には高橋竣のフィードなどから徐々にチャンスの芽が広がり出す。そして30分,DF干場のフィードから藤原が前線でがんばり,パスを受けた笠原がドリブルで抜け出て左隅に1点を返す。そして35分池田の突破から藤原がファウルを受ける。その約35mのFKを酒井が蹴ると風にものってGKの頭上を越え同点に追いつく。このゴールで試合の流れは啓北に傾く。H,Jのカウンターには苦しめられながらも,茂木,高橋竣が対応。山内,保田のボール奪取率も高まり,再三景雲ゴールを脅かすようになる。46分には酒井のクロスから池田がシュートを放つが,惜しくも枠の左へ外れる。さらに49分には山内が左サイドをドリブル突破,センタリングを送るが藤原にわずかに合わない。試合は延長戦へと突入する。 20分間の延長でも啓北がペースを握る。55分酒井の右CKから笠原がきれいなヘッドで合わせるがボールは惜しくもゴールポストをかすめる。また山内,保田の中盤から笠原がスルーパスを受け抜け出し,ゴールに迫る回数も増える。延長では4本のシュートを放ちながら得点をあげられず,勝負はPK戦へと持ち込まれる。このPK戦では1年生GK永井が景雲のキックを2本ストップする大活躍。最後は主将山内が冷静に決めて,決勝へと駒を進めた。

決 勝
11月4日 SSAP人工芝
旭川啓北中1−2(0−1)室蘭蘭東中
得点者 O・G(38分)〔啓〕H(18分),F(47分)〔蘭〕
啓 北 GK永井 DF酒井,茂木,高橋竣,干場 MF藤村,山内,保田,池田 FW藤原,笠原 交替/FP斉藤,西根
 準決勝で延長,PK戦まで戦った疲れが心配された決勝だが,序盤は啓北のペースでゲームは進む。山内,保田が中盤を支配,右サイドから藤村,酒井がスペースに飛び出し,左サイドからは干場のサポートから,池田が虎視眈々と突破をねらう。1分には藤原とのワンツーから酒井がオープニングシュートを放つ。2分には藤村が右サイドをドリブルで二人を突破しセンタリングを送る。8分,啓北は酒井のパスから笠原が抜け出しシュート。ゴールが決まったかと思われたが,GKがさわってボールの勢いが弱まり,DFのゴールカバーにあってクリアされる。啓北のリズムで試合を進めている間に,DF陣が安易にボールロストする場面が多くなり,カウンターからピンチを招く回数が増える。不用意なドリブルやパスにより,試合のリズムを蘭東に奪われる。18分中盤で奪われたボールを左サイドから攻撃され,蘭東FWHのドリブル突破から先制点を奪われる。啓北も高橋竣のサイドチェンジから攻撃に出るものの,ボールロストが祟ってか切り替えが遅く,両サイドのスペースを活用できない。 後半もDFラインのコミュニケーション不足からばたばたとDF陣が慌てピンチを招く。しかし,そのピンチをGK永井がファインセーブで何度も救い,追加点を許さない。残り12分となり啓北は酒井,笠原を両サイドに換え,サイド攻撃から活路を見いだそうとする。38分右サイド浅い位置で啓北はFKを得る。このFKを酒井がゴール前に送ると,相手DFがクリアしきれず,オウンゴールを誘いついに同点に追いつく。この1点で勢いにのった啓北はたたみかけるように攻勢にでる。1分後には酒井が右サイドをドリブル突破しセンタリング。藤原がジャストタイミングで頭で合わせるが,相手DFが体でブロック。そのこぼれ球を山内がねらうがわずかにゴール右へ外れる。この時間帯に両サイドからかさにかかって攻める啓北だが,得点をあげられず。逆に47分相手のカウンターにはまり,Fにサイドを破られ2点目をあげられる。残り時間が少なくなり啓北は茂木を中盤にあげ対応。その茂木が体を張ったプレーで中盤でボールを奪取し攻撃に出るが,蘭東の守備を崩せずタイムアップ。惜しくも2対1で破れ,準優勝で大会を終えることになった。


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