全道大会情報

平成16年度
第20回全道中学新人サッカー大会兼ナイキプレミアカップ北海道大会

平成16年10月9日(土)〜17日(日)

旭川北門中2−0(0−0)稚内南中
得点者 服部(32分),会田(58分)〔北〕
北 門 GK:鈴木康 DF:横田・田邉・内藤  MF:高橋・熊澤(市場)・鈴木陸・佐野
FW:服部(山口)・早坂・相澤(会田)
 全道大会初戦の対戦相手は,同じ道北ブロックに属する稚内南中。高いモチベーションで試合に臨んだ北門中は,開始早々,何度もチャンスをつかみ,相手ゴールを襲う。
 2分,左サイドを相澤がドリブルで仕掛けて得たCK。熊澤がゴール前に挙げたボールは混戦となるが,得点ならず。しかし,このプレーで北門は流れを引き寄せる。4分・5分には,鈴木陸が中盤左サイドから積極的にミドルを放つものの,ボールはゴール左へ。6分には,右サイドをスピードでドリブル突破した服部が中央へクロスを挙げ,佐野がシュートするが,ボールはバーを越える。14分,再度右サイドから服部がゴール前の早坂にクロス。早坂がボールを落とした所に熊澤が走り込み,シュートを放つが,不運にも味方に当たって,ゴールマウスを外れてしまい,なかなか得点を挙げることができない。
 対する稚内南もDFのロングフィードから石井と中村がスピードを生かしてカウンターを狙い,北門ゴールを脅かすが,GK鈴木康,DF横田が失点を防ぎ,両者無得点のまま前半が終了する。
 後半に入り,立ち上がりすぐの時間帯,北門に待望の先制点が生まれる。前半から幾度となくチャンスを演出した服部が,相手ボールをインターセプトした鈴木陸のスルーパスに反応してそのままスピードに乗り,ドリブル突破。DFを振り切り,放ったシュートは懸命にセービングを試みたGKに触られるも,そのままゴールへ突き刺さり,先制となる。 その後,北門は流れをつかんで優位にゲームを進めるかと思われたが,相手のプレッシャーにミスが目立ち,膠着状態に陥る。このまま終了かと思われた後半28分,右サイドを巧みなフェイントで突破した鈴木陸がそのままP・Aに侵入。相手DF陣を誘い出して折り返したボールは,体を張るDF陣によってゴール前混戦となる。この混戦からこぼれたボールを,最後は途中出場した会田が冷静にゴール右隅にシュートを決め,だめ押し点となる。試合はこのままタイムアップ。後半の立ち上がりと終了間際という時間帯に,確実にゴールを決めた北門が,大事な全道初戦を白星で飾った。
旭川北門中0−3(0−3)コンサドーレ札幌U-15
得点者 古田(24分),鶴野(26分),打矢(28分)〔コ〕
北 門 GK:鈴木康(菊池)  DF:横田・田邉・内藤(岡田) MF:高橋(市場)・熊澤(会田)・鈴木陸・佐野(澤田)
FW:服部・早坂(山口)・相澤
 全道大会予選2試合目の対戦相手は,前日室蘭SCを相手に9ー0という大差で下した優勝候補のコンサドーレ。肌寒い曇り空の下,試合が始まる。
 スピードを生かしてリズムをつかみたい北門は,前半立ち上がりから積極的にボールを追いかけ,対するコンサドーレは正確なパスワークで攻撃を組み立てようと試みる。
 素早いチェックでボールを奪い,前へ前へとボールを運ぶ北門は,2分,体を上手に使い,細かいパスをつなぐ。熊澤がボールキープをしながら左サイドCK付近まで攻め上がってコンサドーレDFのファウルを誘う。このFKと,FKから得たCKを鈴木陸がゴール前に放り込むが,いずれもコンサドーレの堅い守りを崩すには至らず,徐々にリズムはコンサドーレへと傾いていく。技術とパスワーク,スピードを織り交ぜ,巧みに両サイドのスペースを使って,左右のクロスで北門ゴールに襲いかかるコンサドーレの波状攻撃に,北門は徐々に冷静さを失う。前線に残る早坂へのフィードのみと攻撃が単調になり,DFラインも押し上げることができず,失点をかろうじて免れるという状態が続く。そして,コンサドーレの攻撃にすっかり押し込まれ,簡単なコントロールミスやパスミスが目立ち始めた24分,ゴール前のクリアミスをM古田に拾われ,P・A付近正面から豪快にミドルシュートを決められてしまう。この失点で気落ちした北門は,コミュニケーション不足からマークのズレを修正しきれず,26分,中央からI安藤が出したスルーパスに反応したH鶴野に技ありのループシュートを,さらに28分には,右サイドをオーバーラップしたF打矢にそのままドリブルで持ち込まれ,強烈なシュートを立て続けに決められてしまう。
 後半も試合展開はほぼ一方的となる。後半から出場したGK菊池,そして3バックの横田,田邉,内藤がコンサドーレの攻撃に翻弄されながらも,最後はしっかりと体を寄せ,コースを防ぐ。また,中盤もよくボールを追い回し,何とか数的不利の状況を回避して失点を防ごうとする。
 結局試合はこのまま0−3で終了。攻撃の部分では,落ち着きを欠いたプレーやミスで単調な攻撃となってしまったものの,守備では後半に追加点を許すことなく最後まで集中して対処できた部分では,今後につながるゲームであった。
旭川北門中1−0(0−0)室蘭SC
得点者 早坂(40分)〔北〕
GK:菊池 DF:横田・田邉・内藤(岡田) MF:高橋・相澤・鈴木陸・佐野  FW:服部・早坂・会田(熊澤)
 予選リーグ最終日は,小雨が降り,ピッチも滑りやすいコンディションの中,12名のメンバーで室蘭地区を勝ち抜いた室蘭SCとの対戦となった。
 互いに予選3日目ということもあって,非常に動きが重く,前半は静かな立ち上がり,特に北門は,攻から守,守から攻への切り替えが遅く,コミュニケーションがないまま,マークの受け渡しやサポートが不十分でミスを連発し,ボールを失っては攻められるという苦しい試合展開が続く。室蘭SCは,スタートの半分が1年生ということもあり,コンサドーレに比べてスピードで劣り,怖さはないものの,1人1人の技術が高く,1対1の場面では上手に体を使い,簡単にボールを失わない。一進一退の攻防の中,北門は11分に,相手のパスをインターセプトした鈴木陸がそのままドリブルで相手GKN近藤と1対1になるが,N近藤のすばらしいセービングに得点ならず。対する室蘭SCも,24分に右サイドからI三田村がドリブルで突破し,GK菊池と1対1となる。懸命に対処する菊池の脇をシュートがすり抜け,失点と思われたボールは幸運にもポストに弾かれ,ノーゴール。これ以外は互いに見せ場を作ることなく,ボールキープやスペースの使い方で,室蘭がやや優勢のまま,前半が終わる。
 後半に入り,雰囲気が多少良くなった北門は,1分,左CK付近からのスローインでボールを受けた熊澤がゴール前にクロスを上げ,服部がヘディングシュート。得点こそならなかったものの,この攻撃により,徐々に北門のスピードが生きはじめる。そして,10分,待望の得点が生まれる。左サイドでパスを受けた相澤がそのままドリブルで左サイドを駆け上がり,中央の早坂にグラウンダーのパスを送る。パスを受けた早坂が相手DFをかわし,P・A付近から約20mのシュートを放つ。このシュートがGKの頭上を越えて見事ゴールネットに突き刺さり,1−0となる。その後もリズムに乗った北門は12分に鈴木陸が右サイドを,また,19分には相澤が左サイドをそれぞれドリブルで突破し,チャンスを作るが,追加点には至らない。逆に17分には,中盤でインターセプトされたボールからP高橋が縦に抜け出し,再度GK菊池と1対1となる。しかし,この日の北門はツキも味方し,シュートはポストに。結局試合はこのままタイムアップ。北門が逃げ切って,予選敗退ながらもリーグを2勝1敗の2位という結果を残した。
[全道大会を終えて]
予選リーグ3試合を通して,以下の課題が残った。

全 体ーコミュニケーション不足
    (どのようにプレーしたいのか,またどうしてほしいのか)
落ち着きのなさ(視野の確保とプラン)
    1つ1つのプレーの精度(特にパスの質,1対1での弱さ,判断の甘さ)
    攻守の切り替え(マークのズレへの対応,ラインの押し上げ,サポートの遅さ)
DF面−ボールウォッチャー
DFの原則における判断の甘さ(ポジショニングの悪さ,1対1の弱さ)
キックの精度(フィードやパスにおけるミスの多さ)
    奪ったボールを攻撃につなげる意識の低さ
    (サポートの質,視野の狭さ)
OF面ーポゼッション(幅と奥行き,特にサイドや裏のスペースへの意識)
良い準備をしていない
    (良い視野の確保とボールをもらう時の姿勢,プランがない)
ダイレクトプレーに対する意識の低さ
    ボールコントロールの精度(特にファーストタッチとパス)

しかし,試合に対する高いモチベーションやコンディションが整った中で,コミュニケーションがしっかりととれていれば,スピードを生かした攻撃や最後まであきらめない守備は,全道でも通用するものと考えられる。ただ,クラブチームとの技術や判断の差はどんどん広がっており,チームのみならず,地区としての課題ともいえる。

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