全道大会情報

平成15年度
第42回北海道中学校サッカー大会

2回戦
緑が丘中(上川支庁代表)8−1(4−1)南幌中(空知支庁代表)
得点者 高橋星(7分,8分,25分),出崎(20分,37分),加藤(44分),鷹橋(46分),斉藤(58分)
【戦評/小林(緑が丘)】
  晴れ時々曇り,風もなく穏やかな気象状況。気温は22〜3度程度ではあるが,昨夜半からの霧のために濡れた芝から水蒸気が立ち上がり,湿度が非常に高く感じられる中,南幌のキックオフで試合が始まる。緑が丘は,トップの高橋(星)と左腕の骨折が心配されていた廣富がゲーム開始早々から縦横無尽に動き回り,相手DFを翻弄し始める。3分には,高橋(星)からのスルーパスを受けた右サイドの加藤が個人技でDFをかわし右から切れ込み,ペナルティーエリア手前から強烈なシュートを放つが,南幌のGKの好セーブに止められる。更に6分,トップ下の出崎からのパスを受けた高橋(星)が中央左をえぐり,シュートするもゴール上を通過してしまう。その後もボールを支配し続ける緑が丘が,7分,センターバック真嶋がハーフウェイライン付近にいた廣富へていねいにパスをだす。廣富がすかさず右の加藤へボールをさばき,加藤も右に流れてきた高橋(星)へパスがつなげ,高橋がそのままDFを振り切るかたちでゴール前に切れ込み,あまり角度のないかたちでシュート。ゴール左上に突き刺さる豪快なシュートが決まり,1点を先取する。1点を先取した緑が丘は,さらい勢いづき,8分,左サイドの高橋(史)からのセンターリングを高橋(星)が頭で合わせ早くも2点目をとる。主導権を握っていた緑が丘だが,11分,右サイドバックの冨田が相手選手の背後から両足でスライディングをし,警告をもらうという手痛いファールをしてしまう。その後,南幌も勢いを見せ始め,緑が丘陣内へと攻め込むシーンが見られるようになってきた。しかし,南幌もシュートチャンスを得るが,緑が丘のDFの踏ん張りが効き,決定的なシュートにはならない。緑が丘もボールを支配しながらも,リズムに乗れないまま20分がる。そこで,鼻骨骨折で戦線から離れていたキャプテン田中をボランチに投入。直後,コーナーキックを得た緑が丘はキッカー齋藤のボールを出崎が足であわせゴール左に押し込み3点目を奪う。 再び,リズムを取り戻した緑が丘は,21分に右40メートル付近のFKのチャンスを得る。左から走り込んできた廣富から高橋(星)にボールがつながり,シュートを放つが,ゴールバーをかすめて惜しくも得点にならない。更に,23分,右加藤からのアーリークロスを廣富があわせてシュートするも,キーパーの好セーブにはじかれる。そして25分,左高橋(史)のスローインボールを高橋(星)がDFを背負いながらもみごとな個人技でボールをさばき,左から切れ込み,ゴール右上にハットトリックとなるみごとなシュートを決め4対0とリードを広げる。
 前半もこのまま終了するかと思った29分,南幌の左からのクロスボールが大きくペナルティーエリア内を右に流れ,走り込んできた南幌FWがボールを支配。ボールをさばこうとした瞬間に,緑が丘GKの森が両手で南幌FWの足を払ってしまい転倒,痛恨のPKとなる。しかし,PKはバーにはじかれる。リバウンドを南幌の選手がすかさずシュートし,緑が丘DFがクリアーのためスライディングで蹴り出そうとするが,間に合わず南幌が1点を返し,前半終了。
 前半の劣勢を吹き飛ばすかのような勢いで,南幌が右からの展開を中心に緑が丘中陣内へと攻め込み始める。3分には,南幌MFが右サイドから壁パスをうまく利用し勢いよく切れ込み,緑が丘DFを振り切り,ゴール右隅にシュート。あわやゴールかと思われたが,GK森が横っ飛びで好セーブ。前半のPKの嫌な雰囲気を払拭するようなプレーでいきなりのピンチを救う。ここから,再び緑が丘が主導権を握り始め,高橋(星)と廣富のコンビネーションプレーで,左サイドから廣富がキーパーをかわしシュートを放つがDF陣がゴール内側で懸命にシュートを防ぎ,ゴールをわることができない。7分,DF黒沼からの立てパスを高橋(星)が受け,左サイドを突破。クロスを廣富にあわせると,廣富は個人技でDF陣をかわし,すかさず強烈なミドルシュートを放つ。シュートは惜しくもクロスバーに直撃。そこに出崎が走り込み,ゴール左隅にダイレクトシュートを決め5点目。更に,攻撃の手をゆるめない緑が丘は,14分,廣富と交代で右サイドに投入された得能がトップの加藤に縦パスをだし,それを受けた加藤が右サイドから勢いよく切れ込み,ゴール左隅にシュートを決め,6点目。19分には,同じく得能が右サイドを走り込み,センターリング。16分に高橋(星)に替わって投入された1年生鷹橋が頭であわせて,ゴール。7点目を決める。その後,3回戦を視野に入れた緑が丘はメンバーをほとんど入れ替える。28分には高橋(史)からのスローインを蝦名がうまくさばき,齋藤へとつなぎ,中央から齋藤が個人技で相手選手を3人かわし,そのままゴールに向かいフリーの状態でシュート。ゴール右隅にボールをたたき込み,8点目を奪った。
 早い段階で得点を決めたことと,終始,相手選手を翻弄し続けたトップの高橋(星)と廣富の活躍が本試合の大きな勝因であろう。
準々決勝
緑が丘中(上川支庁代表)4−1(4−1)恵庭中(石狩支庁代表)
得点者 高橋星(4分,6分),加藤(20分,23分)
【戦評/小林(緑が丘)】
  曇り空から時折晴れ間が覗くといった感じの天候で,横風が強くなり始めたこと以外は,午前中より気温湿度共に選手にとってはプレーのしやすい気象状況となったと思われる。
 緑が丘のキックオフでゲーム開始。開始早々,トップ廣富が中央を突破,いきなりシュートを放つがキーパーにはじかれ,コーナーキックに逃げられる。齋藤のコーナーキックも高橋(星)が頭であわせるが,バーの上をかすめて惜しくも得点ならず。続いて,4分,右DF冨田のハーフウェイライン手前からの見事なロングスローが相手DFの頭を越え,中央から右に流れてきた高橋(星)にうまく渡り,そのまま高橋が右サイドからゴールエリア付近まで切れ込み,ゴール左隅に強烈なシュートをたたき込み,1点を先取する。更に,6分,左MFの高橋(史)からのスローインを廣富が中央にいた高橋(星)にうまくつなぎ,そのまま高橋が中央突破を図り,シュート。ゴール左隅にきれいに吸い込まれ,2点目。その後,緑が丘が主導権を握りつつも,フィニッシュまで持っていくことができず,10分間がる。18分になると,恵庭も右サイドからの攻撃をしかけ始め,何度か緑が丘のゴールを脅かすシーンも見られ始める。
 追加点のほしい緑が丘は,右サイドの加藤にボールを集め,打開を図る。20分,高橋(星)からの加藤へ絶妙なパスが通り,加藤がそのまま右サイドをDFをかわしながらゴールに向かって勢いよくドリブル。ペナルティーエリア付近から放ったシュートが見事にゴール左隅に突き刺さり待望の3点目をとる。更に,23分,ボランチの齋藤からのクロスボールを加藤が頭であわせてゴール。4点目を決める。
 26分,前の試合で,警告を受けたDF冨田を次の試合に備えベンチにもどしたあたりから,DFのリズムがややくるい始め,恵庭のMF(♯6)への対応にミスが出,そのまま中央を突破され,強烈なミドルシュートを放たれる。シュートにはそのままゴール左上に突き刺さり,恵庭が待望の1点をかえす。 
 前半終了間際に,1点を返した恵庭はそのままの勢いで後半に突入。緑が丘と一進一退の展開を始める。8分には,前半と同様に恵庭の♯6が中央を突破し,バーをかすめるような強烈なシュートを放つ。緑が丘は,メンバーチェンジを行い,主導権を握り,追加点のチャンスをつかもうとするが,なかなか歯車が合わずに苦戦を強いられる。10分,左サイドからの攻撃を試みた高橋(史)が,相手選手との接触プレーで,右足首を痛め退場。緑が丘,恵庭共に決定的なチャンスをつくれぬまま,試合が終了した。
 この試合は,恵庭がリズムをつかむ前に,前半のシュートチャンスを確実にものにした緑が丘の試合運びが大きな勝因となった。また両サイドの加藤と高橋(史)の活躍と途中から右DFに投入された得能の頑張りが特に光った試合でもある。
準決勝
あいの里東中(札幌市代表)1−0(0−0)緑が丘中(上川支庁代表)
【戦評/小林(緑が丘)】
 未明から激しく降り出した雨が,試合前にようやくあがったもののピッチはずぶぬれに近い状態。気温は22度。無風。キックオフ札幌で試合開始。
 試合開始早々から,1回戦から勝ち上がってきた疲れを全く感じさせない勢いのあるプレーを展開し始めた札幌のペースで試合が進む。1分には左からの突破を図った札幌の選手にたまらず緑が丘がファール。FKのピンチをなんとかクリア。9分にも中盤でボールを回され,徐々に下がっていった緑が丘のDF陣の隙をつき,中央からいきなりのミドルシュート。あわやゴールかと思われたが,GK森がうまく反応し,ダイビングセーブでピンチを救う。その後も,予想以上に札幌の中盤でのボールの支配率が高く,緑が丘陣内での試合展開が続く。トップの廣富や高橋(星)にボールを集めたい緑が丘だが,2人に対し,2から3人の選手がアプローチを試み,徹底したディフェンスを行う札幌の前に,思うようなプレーをさせてもらえない。それでも,13分,緑が丘は右からの突破を図り,DF冨田からのスローインをうまくつなぎ,廣富がシュートを放つとキーパーがはじき,あわやゴールかと思われたが,ポストに直撃しチャンスを生かせない。その後,緑が丘も徐々にリズムをつかみ始め札幌陣内へと攻め込むが,札幌の勢いを必死に食い止める場面が続く。20分からは,お互いにコーナーキックのチャンスをつかむが,互いの守りにゴールを割ることができない。25分には,札幌のコーナーキックからの見事なヘディングシュートをGK森がまたもや好守。緑が丘の集中力のある守りが持続し前半を無失点で終える。
 緑が丘のキックオフで試合開始。札幌は,前半同様にボールをつなぎ,緑が丘陣内へと攻め入る。2分には,DFのカバーリングの遅れから,右サイドを切り込まれ,あわやゴールかと思われような豪快なシュートが緑が丘のゴールをかすめる。5分にも,右サイドからの攻撃にたまらずコーナーに逃げる緑が丘。コーナーキックはなんとか森がクリアするものの,札幌の勢いはなかなか止まらない。
 緑が丘はトップの廣富,高橋(星)にボールをつなぎ場面の打開を図るが,ピッチ状態の悪さと,2人に対する強烈なアプローチ,4バックDFの堅い守りのため,チャンスをつかむことができない。それでも11分には,出崎が中央を勢いよくドリブル突破。たまらず札幌がファール。FKを加藤が廣富に合わせて,振り向きざまに豪快なシュートを放つが,惜しくも札幌の選手にあたりゴールにならない。
 そして,いよいよゲームも終盤をむかえつつあった14分,札幌の中盤にうまくボールを回され,緑が丘が押し込まれ始める。一瞬,アプローチが遅れ,ペナルティーエリア手前でフリーになった札幌のMFが中央からシュート。ゴール右隅にボールが吸い込まれてしまい1点を献上してしまう。 その後,緑が丘は,必死に反撃を始める。1点を先取した札幌を上回る勢いで巻き返しを図るが,札幌の懸命の守りの前にチャンスをつかむことができず,一進一退のゲーム展開となる。23分,24分と緑が丘,札幌共にコーナーキックを得るが,互いに譲らずゲームが終了する。 中盤でのボールの支配率の高かさ,フィジカル面での強さ,集中力を切らすことなく廣富・高橋(星)への徹底したアプローチを60分間持続した札幌が,緑が丘を降した試合であった






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